恵まれた環境で、材料の「なぜ」に挑む

技術系 材料開発

開発研究所 材料科学研究室

2007年入社

数理物質科学研究科 物性分子工学科

Question 01 太陽誘電への入社理由

材料への興味・関心を、仕事を通して追求できる会社

大学でマテリアルサイエンスを専攻しており、それに魅力を感じていた為、就職後も材料開発に携わる会社に就職したいと考えていました。特に授業で習った誘電体に興味を持ったため、複数の積層セラミックコンデンサメーカーの採用試験を受けました。その中でも、太陽誘電の最終面接では答えに詰まるほど本質的な部分を聞かれ、この会社であれば技術者としてしっかり材料と向き合えると考え、入社を決めました。
実際入社した後は、配属されたグループで優しくも厳しい指導を受けることができ、採用面接で感じたことは間違っていなかったと感じています。

Question 02 現在の仕事内容

材料の見えない/見るべきところを可視化する

現在の私の業務は、材料の特性発現のメカニズム解明と、そのために必要な可視化技術の構築です。当社のデバイスで用いられている材料がなぜ優れた特性を示すのか、これまでも調べられてきてはいるのですが、まだ不明な点が残っています。また、デバイスの性能は進化していきますが、顧客の満足する高品質の達成と、次の段階のデバイス・材料の開発のヒントを得る為に、実際のデバイスの中での動作もきちんと調べる必要があると考えています。そこで、私の所属する部署のミッションは材料のメカニズムの解析であり、私はその中でも分析科学を用いた研究チームのリーダーを担当しています。これまでに分かっていなかったメカニズムを明らかにするには、新しい視点が必要です。そのためにも、従来では観察の出来なかった現象や仮説を分析可能な技術を構築し、その技術を用いてメカニズム解明に挑んでいます。

Question 03 仕事のやりがい、印象に残っている仕事

先端的な材料・デバイスの「なぜ」をさまざまな機器と知見を基に明らかにする

私の仕事のやりがいは、先端的な材料・デバイスのメカニズムをさまざまな機器と知見を基に明らかにする事ができる点です。特に私のテーマは「可視化」ですので、その過程で、これまでに誰も見たことのない、メカニズム解明につながるデータを(場合によっては世界で)初めて見ることができます。価値のあるデータを最初に見られた時の嬉しさは格別です。また、一見して意味のないようなデータであっても、社内外の知見を基に考察し、その意味を理解できた時も、とても嬉しく思います。
具体的な事例では、当時、社内で開発中だった最新のデバイスの問題箇所を、可視化する技術を開発したことです。まだ世の中に知られていない材料を用いたデバイスだったため、その課題も、世の中で知られていませんでした。当初、解決不可能に思えていたのですが、同僚とディスカッションし、これまでの業務で培ってきた技術・知識を組み合わせ、社外の機器を借りるなど、幅広い視点で活動し、解決することができました。

Question 04 仕事で大切にしていること

技術者として、より良い技術を作り会社に貢献し、かつ、自分自身の技術を高める為に、他の方が困難と思ってしまうような課題に挑戦するようにしています。幸いなことに、私自身、これまでに幾つか難しい課題に挑戦し解決した実績があり、また他の方が困難に負けずに課題解決した姿を見たことで、そのような課題に挑戦する勇気を持つことができています。
また、難しい課題を解決するためには、幅広い視点から緻密に検討した上で、適切と思えるタイミングで『(実験を)やってみる』ことが大事だと考えています。当社のデバイスの材料であるエレクトロセラミックスはまだまだ人間の理解できていない点がたくさんある面白い材料です。そのような状況ですので、しっかり考え、周囲の意見も聞いてみた上で「これ以上考えても仕方ないな」という段階に来たら、不確かなところがあっても『やってみる』ことが重要です。これは、謙虚に自然の声に耳を傾けることで人間側の古い常識・思い込みを乗り越える、という点で重要だと考えています。

Question 05 休日の過ごし方

余暇で趣味を楽しむ

私は趣味で弓道を練習しており、土日で地域の弓道場に通っています。開放的な雰囲気で、のびのびと練習することができ、とても満足しています。
また、コロナ禍の際に外出が難しかったこともあり、遠方の友人とネットワーク越しにボードゲームで遊ぶようになりました。詳しい友人がいるため、その紹介でさまざまなゲームを楽しむことができています。中々予定が合わないこともあるのですが、いつも次のゲーム会が待ち遠しくて仕方ないですね。

Daily schedule

AM

始業、メールチェック

上司からの問い合わせに対応

部下の相談に対応

自分で担当しているテーマの実験を進める

PM

昼食

他部署と打ち合わせ

社外の共同研究先と打ち合わせ

報告資料の作成

退社

Career path

2007年
商品開発本部材料開発部配属
材料開発部の中で機器分析や計算科学を用いて研究するグループに配属されました。優秀な上司と先輩についていくだけでたいへんでしたが、ここで学んだことが後の仕事の基盤になったと思っています。
2011年
開発研究所物性解析センター配属
材料開発部で学んだ技術を事業部にも展開しつつ、部門のロードマップの策定を補助しました。この際に自分の専門分野に関して立てたプランが長期的な指針となり、役立つことになりました。
2012年
開発研究所材料1グループ配属
材料開発部門で、材料の先端的な分析技術の調査・導入、実際の解析を担当しました。この時に構築した技術は、今でも社内の多くの人に利用されており、技術者冥利に尽きるな、と思っています。
2015年
開発研究所開発推進統括部分析グループ配属
社内の分析を主とする部署に異動し、これまでに培ってきた技術を全社展開しました。技術構築しながら多くの部署の要望に応える必要があったため、同僚の助けはありましたが、たいへんな時期でした。
2016年
ペンシルベニア州立大学出向
海外の大学に出向して最新の分析機器を用いた共同研究に従事しました。大学の最新の機器を用いた研究はもちろん、さまざまな人と交流できたことは、得難い経験だったと思います。
2018年
開発研究所評価解析技術部配属
帰任後には海外での共同研究で得た知見を基に、大型の分析設備を導入し、実際に運用しました。幾つかトラブルがあったものの、関係者の協力もあり、無事に完了することができました。
2023年
開発研究所材料科学研究室配属より研究的な視点での技術開発のため、新設された材料科学研究室にチームリーダーとして配属となりました。社内の困難な課題の解決にあたりつつ、部下の育成も進めています。
現職

Message to those currently job hunting

太陽誘電を志望される皆さんへメッセージやアドバイス

競争が激しく、顧客の要望も高い業界ですが、優秀な同僚や充実した設備に囲まれ、しっかりと技術者として活躍することができます。また、会社はコンプライアンスや福利厚生もしっかり意識しており、その点でも仕事に集中できる環境が整っています。仕事を任せてもらえる環境である分、自発的に動くことが求められます。また、難しい課題の解決には周囲との協力も不可欠ですので、人とのコミュニケーションを大事にしていただければと思います。
皆さんとともに未来を創り出すことを楽しみにしています。素晴らしいキャリアの始まりに、ぜひ一歩を踏み出してください。

People and work 技術系の社員紹介