ごあいさつ株主・投資家の皆様へ

信頼され、感動を与える
エクセレントカンパニーを
目指します

  • 2012年3月期を振り返って
  • トップマネジメントのミッション
  • 成長戦略について
  • 新中期経営計画の目標達成に向けて

2012年3月期を振り返って

2012年3月期は、激動の1年でした。東日本大震災後の日本経済の停滞やヨーロッパの経済不安、続く円高、タイの洪水など、外部要因に翻弄された一年といっても過言ではありません。

私たち太陽誘電は、外部要因によって収益が大きく左右されることのない事業体質を作り上げて継続的な成長を目指すため、体質改善を進めつつ成長戦略を実行することにいたしました。体質改善については、年間100億円の固定費削減計画を策定し、2013年3月期末の達成を目指しています。成長戦略については、新商品やソリューション提案の機会を増やすことと、新たな市場の開拓を狙いとして、FAE(Field Application Engineer)を活用した営業活動の強化を中心に取り組みました。高度な技術知識を持つ営業スタッフをFAEとして増員し、お客様が商品を企画する段階から積極的に参画して、課題の解決や技術的な提案をさせていただいています。

このように、体質改善を進めつつ成長戦略を実行して「信頼され、感動を与えるエクセレントカンパニー」の実現を目指していますが、2012年3月期は減収減益という結果になりました。連結売上高1,837億95百万円(前年同期比12.6%減)、営業損失80億10百万円(前年同期は営業利益87億92百万円)、経常損失が90億70百万円(前年同期は経常利益67億40百万円)でした。また、希望退職者募集に伴う退職特別加算金等の事業構造改善費用の発生や繰延税金資産の取り崩しにより、当期純損失は215億99百万円(前年同期は当期純損失55億6百万円)となりました。

この2013年3月期から、新たな3カ年中期経営計画への取り組みを開始しました。引き続き固定費削減計画に基づいて体質改善を実施するとともに、新中期経営計画で策定した成長戦略を確実に実行してまいります。

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トップマネジメントのミッション

当社は現在、会長・社長のツートップ体制で経営にあたっています。会長は取締役会の監督、経営全般の監督、コンプライアンス(監査室、CSR、内部統制など)の監督役がメインで、社長は営業・生産をはじめとする経営全般の執行役、という役割分担です。2013年3月期も引き続きこの体制で、さらなる企業価値の向上に向けてお互い常に相談しながら指揮を執ってまいります。

また当社には、「従業員の幸福」「地域社会への貢献」「株主に対する配当責任」という経営理念があります。企業として収益を上げることにより経済的な存在価値を高め、お客様や株主の皆様だけでなく、従業員や地域の皆様など、すべてのステークホルダーに利益がもたらされるようにすることが私たちのミッションであると考えています。

この理念を実現するには、新たな事業の柱を増やしてバランスのよい事業構造にすることが不可欠だと考えています。これまで当社はコンデンサやインダクタといった単品部品の生産販売を事業の柱としてまいりましたが、今後はこれに加えて複合デバイス事業を大きな柱として育てていく方針です。お客様の商品の開発企画段階から参画してソリューションを提供すること、お客様の求める商品をタイムリーに提供することなどをとおして、お客様に、ひいては、すべてのステークホルダーにとってのエクセレントカンパニーを目指します。

成長戦略について

業務の効率向上、スピードアップを図るために、2011年7月にミニカンパニー制を導入しました。それまで商品開発、資材調達、製造、販売などの各機能は別々の組織に属していたのですが、ミニカンパニーごとに完結して行うようにしました。担当業務が事業の収益にどのように結び付くのかをより強く意識するようになったこと、お客様のニーズや要望が営業を通じて開発・生産現場に伝わりやすくなったことなどから、各機能が一体となってお客様のニーズを満たすべく活動しています。

2013年3月期から取り組み始めた新中期経営計画では、成長戦略として、スーパーハイエンド商品のラインナップを充実させること、ソリューション型の営業活動を行うこと、新規市場を開拓することを掲げています。そのためには、FAEを活用した営業活動がキーとなります。これを実践するには開発段階での提案がポイントになるので、マーケティング活動に基づくニーズの先取りが必要になります。

市場に出される商品は、数年前から開発が始まることが多いものです。マーケティングを強化することにより、開発段階に切り込んでいくことが可能になり、お客様の開発タイミングやニーズに合致した商品の提供が可能になります。開発のロスも減らすことができます。お客様の課題解決のお手伝いをすることで、信頼関係が構築され、さまざまなソリューションを提案する機会が増えていくと期待しています。それと同時に、お客様の満足度も向上するものと考えています。

*成長戦略については、「新中期経営計画」で詳しく説明しています。

新中期経営計画の目標達成に向けて

「信頼され、感動を与えるエクセレントカンパニー」を実現するためには、構造改革と成長戦略の両方を実践しなければなりません。この2つを着実に、そして確実に実践できれば新中期経営計画の目標は達成できます。経営理念のもと、経営陣をはじめ、全社員一丸となって目標達成に向けてまい進していく所存です。

新しく生まれ変わった太陽誘電にどうぞご期待ください。

  • 代表取締役会長 神崎芳郎
  • 代表取締役社長 綿貫英治