財務レビュー

経営成績の概要

2013年3月期における当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済が減速した状態から徐々に持ち直し、また、下半期から為替相場の動きが円安に向かったものの、依然として厳しい状況で推移しました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、スマートフォンやタブレット端末市場の拡大が続いているものの、パソコンやテレビなどの市場が引き続き低迷したことにより、電子部品の需要は低調に推移しました。
このような厳しい状況下、当社グループは、2015年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げた目標の達成に向けて、体質改善策と成長戦略を両輪とした収益改善策を実施しています。体質改善策においては、海外生産拠点最大活用の一環として、コンデンサおよびインダクタの海外移管を進めました。成長戦略においては、コンデンサやインダクタ、モバイル通信用デバイス(SAW/FBAR)などのスーパーハイエンド商品の販売拡大に取り組みました。その結果、2013年3月期の売上高は前期比5.0%増の1,929億3百万円となりました。

販売費及び一般管理費

2013年3月期の販売費及び一般管理費は328億9百万円となり、前期に比べ19億32百万円減少しました。主な要因は、運賃及び手数料の減少、従業員給与手当の減少、研究開発費の減少です。この結果、前期80億10百万円の営業損失から営業利益49億93百万円となりました。

営業外損益

2013年3月期の営業外収益は、為替差益の計上などにより前期に比べ29億33百万円増加し、35億71百万円となりました。一方、営業外費用は前期に比べ3億93百万円減少し、13億4百万円となりました。この結果、前期90億70百万円の経常損失から経常利益72億60百万円となりました。

特別損益

2013年の3月期の特別利益は、固定資産売却益の増加などにより前期に比べ8億72百万円増加し、9億69百万円となりました。一方、特別損失は事業構造改善費用の減少、和解金の計上により前期に比べ14億43百万円減少し、42億7百万円となりました。この結果、前期215億99百万円の当期純損失から当期純利益20億円となり、収益性が改善し、黒字化を実現しました。

財政状態

資産

2013年3月期末における総資産の残高は2,259億27百万円となり、前期末に比べ174億65百万円増加しました。流動資産は129億33百万円増加しており、主な要因は、現金及び預金の増加74億44百万円、商品及び製品の増加19億23百万円、仕掛品の増加25億57百万円、原材料及び貯蔵品の増加9億12百万円です。また、固定資産は45億32百万円増加しており、主な要因は、有形固定資産の増加47億53百万円、投資有価証券の減少1億89百万円です。

負債

2013年3月期末における負債の残高は1,099億66百万円となり、前期末に比べ59億5百万円増加しました。主な要因は支払手形及び買掛金の増加26億4百万円、短期借入金の増加112億10百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の減少196億35百万円、長期借入金の増加120億66百万円です。

純資産

2013年3月期末における純資産の残高は1,159億61百万円となり、前期末に比べ115億60百万円増加しました。主な要因は、当期純利益による増加20億円、剰余金の配当による減少8億82百万円、為替換算調整勘定による増加102億91百万円です。

キャッシュ・フローの状況

2013年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは前期比252.3%増の194億96百万円の収入となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益40億21百万円、減価償却費198億32百万円、事業構造改善費用2億54百万円、減損損失3億45百万円、和解金28億22百万円、売上債権の減少53億8百万円、たな卸資産の増加27億68百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは前期比37.3%減の181億57百万円の支出となりました。主な要因は、固定資産の取得195億33百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは前期比79.5%減の23億34百万円の収入となりました。主な要因は、短期借入金の純増加107億65百万円、長期借入れによる収入170億円、長期借入金の返済による支出41億81百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の償還による支出196億35百万円です。
以上の結果、2013年3月期末における現金及び現金同等物は、前期末に対して66億8百万円増加し、332億80百万円となりました。

財務政策

当社グループは、資金効率の向上を目的として、グループ資金の一元管理を行っています。関係会社の余資を集め、他の関係会社へ必要資金を供給し、不足資金は外部調達しています。外部からの有利子負債を最小化するためCMS(Cash Management System)を導入しています。
2013年3月期末の外部からの資金調達は、短期借入金202億42百万円、1年内返済予定の長期借入金48億99百万円、社債80億円、転換社債型新株予約権付社債3億65百万円、長期借入金293億64百万円、リース債務16億73百万円からなっています。借入金は原則として日本において固定金利で調達しています。さらに、財務の安定性のため期間3年、100億円のコミットメントライン借入枠を設定しています。2011年12月に、この100億円のコミットメントライン借入枠を更新し、有事の場合に備えていますが、2013年3月末現在、未使用です。
当社グループは、健全な財務状態と営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力を有しており、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えています。

設備投資等の概要

2013年3月期の設備投資については、総額196億51百万円の設備投資を実施しました。主な内容は以下のとおりです。

電子部品事業

主に、コンデンサ、フェライト及び応用製品の生産性改善のための投資および研究開発設備への投資を中心に、192億64百万円の設備投資を実施しました。

記録製品その他事業

主に、記録製品の新商品投入のため、3億86百万円の設備投資を実施しました。

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