2015年に国連サミットでSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)が採択され、そこで定めた17の目標の達成に向けて、企業の参画が求められています。
太陽誘電では、経済価値と社会価値の両面から企業価値向上を目指すとともに、世界の持続可能性を実現するため、事業による間接的なインパクトを通じて、社会課題の解決に取り組んでいます。
電子部品を通じた挑戦
電子部品が実現する安心・安全で快適・便利な暮らし
太陽誘電が手掛ける電子部品は、スマートフォンやタブレット、自動車、テレビやパソコンなど、あらゆる機器に必要不可欠です。
たとえば、MLCC(セラミック積層コンデンサ)はハイエンド機種のスマートフォンには約1,300個、電気自動車には約10,000個搭載されています。その他にも、快適な通信などを支える情報インフラ・産業機器、最先端のデジタル機器などに搭載され、社会の人々の安心・安全で快適・便利な暮らしの実現に貢献しています。
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スマートフォン
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基地局通信装置
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サーバ
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セキュリティカメラ
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タブレット端末
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パソコン
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HDD、SSD
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ADAS
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メータークラスタ
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電子制御ユニット
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テレビ
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ゲーム機器
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スマートウォッチ
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太陽光発電
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電動アシスト自転車
スマートデザイン・スマートプロセス
太陽誘電の目指す製品は、ムダ・ムラ・ムリを省き、環境負荷を低減した「スマート商品」であり、その積極的な開発を進めています。
私たちの考える「スマート商品」とは、製品使用時の環境配慮だけではなく、設計から生産、販売、最終商品への搭載・廃棄にいたるまで、製品のライフサイクル全体でのムダ・ムラ・ムリを省き、お客様、地域社会、社員にとって価値ある製品をつくることを意味します。
労働安全衛生、品質、環境などのマネジメントシステムを開発推進ツールとして活用し、ムダ・ムラ・ムリを排除した「スマートプロセス」。使用や廃棄を考慮し、環境負荷を低減した「スマートデザイン」。太陽誘電グループは、これら「スマートプロセス」「スマートデザイン」の取り組みによって、スマート商品の開発に努めています。
製品アセスメントの取り組み、環境負荷物質への対応、グリーン調達についてはこちらのページで紹介しています。
MLCC生産時の環境負荷低減
MLCCはさらなる小型化・高性能化を目指して日々研究が重ねられています。
静電容量が同じMLCCを比較すると、0603サイズと0201サイズでは、体積が約93%減少しています。小型化によって、原材料や包装材料の削減や、輸送エネルギーの削減を実現しています。
また、MLCC1個当たりの静電容量(溜められる電気量)は2011年から2020年の9年間で約1.9倍、生産エネルギーは約0.7倍となっています。
さらに、生産性改善活動「smart.E」を通じて、生産現場の見える化、異常の早期発見、さらには異常の未然防止といった生産性の向上をはかっています。生産時エネルギーロスが減少し、品質不良による廃棄量が削減されることで、より環境負荷が軽減されることが期待されています。
JCコート™による環境負荷軽減
JCコート™は、太陽誘電ケミカルテクノロジーが開発した、水や油、粘質な原料の付着を抑制するなどの機能をもつ、機能性表面処理膜です。印刷用マスクや食品製造機器、産業機器にコーティングすることで、洗浄性・メンテナンス性の改善に大きな効果を発揮し、洗浄などの作業を軽減します。溶液や洗剤などクリーニング剤の使用量が削減されるほか、これまで設備にこびりつくことで廃棄されていた原料を、大幅に削減することができます。
印刷用マスクへの使用
印刷用マスクにコーティングすることで製造品質が安定し、にじみなどの不良による廃棄が削減できるほか、洗浄回数の削減によりクリーニング剤の使用量を減らすことができます。
食品製造機器への使用
食品生産ラインパーツにコーティングすることで、べたつく原料による品質の不均一を防ぎ、機器へのこびりつきで発生する原料の廃棄量も大幅に削減します。また、清掃が容易になり、ライン設備の停止期間も短縮できることから、生産性向上にもつながります。
ソリューションビジネスを通じた挑戦
河川モニタリングシステム
水位センサ、モニタリングカメラ、冠水センサからのデータをリアルタイムにクラウドサーバーに集め、河川や市街地における水路の状況を総合的にモニタリング。小型・軽量、低消費電力のため設置場所を選ばず、設置コストも抑えられます。災害時にも安定して確実にデータを届けられるサーバー構成で運用を行い、安心・安全な街づくりに貢献しています。
回生電動アシストシステム
人と環境にやさしいニューモビリティとして、回生電動アシストシステムを開発。自転車に搭載するとブレーキ等の減速時に発電し、運動エネルギーの回収・再利用が可能です。航続距離が長く、走行途中での電池切れの心配も軽減されるほか、モーターブレーキを利用したオーバースピード抑制も可能であるため、従来の電動アシスト自転車よりも安心・安全な走行が期待できます。