パフォーマンス

安全衛生中期計画で設定した5M目標の2023年度の取り組み内容を報告します。
報告は、太陽誘電株式会社(6拠点)および国内・海外の連結子会社を対象としています。

報告対象組織

太陽誘電株式会社(国内) 高崎グローバルセンター/榛名工場/中之条工場/玉村工場/八幡原工場/R&Dセンター
連結子会社(国内) 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社/太陽誘電テクノソリューションズ株式会社/福島太陽誘電株式会社/新潟太陽誘電株式会社/和歌山太陽誘電株式会社/太陽誘電モバイルテクノロジー株式会社/株式会社環境アシスト/エルナー株式会社
連結子会社(海外) 韓国 韓国慶南太陽誘電株式会社
中国 太陽誘電(常州)電子有限公司
中国 太陽誘電(廣東)有限公司
フィリピン TAIYO YUDEN(PHILIPPINES), INC.
マレーシア TAIYO YUDEN(SARAWAK)SDN. BHD.
マレーシア ELNA(MALAYSIA)SDN. BHD.
タイ ELNA(THAILAND)CO., LTD.

取り組み

Man

基礎教育の徹底と「安全行動意識」の醸成
「安全職場」風土を醸成するために、従業員の安全衛生に関する知識を高め、その知識を活かして安全衛生を常に意識し、行動に結び付けるための活動を行っています。
2023年度は、国内拠点従業員を対象にした第5回安全意識度調査の分析結果より抽出された課題への取り組みを行いました。保護具の効果を作業者に定量的に可視化した上で、正しい装着方法の教育を強化した結果、第6回安全意識度調査では改善されたことを確認できました。また、2023年度から新たに海外拠点従業員を対象にした安全意識度調査を実施し、調査結果の分析を行い課題を可視化しました。
今後も「安全意識度調査」を継続し、従業員一人ひとりの安全意識向上を図り、「安全職場」風土の醸成につなげます。
安全意識度調査(海外)

Machine

設計者の設備安全設計水準アップ
設備安全活動の世界水準化(ISO、IEC)を図るために、生産設備の共通的なリスク対策を規定した「グループ設備安全基準」を中心に、設備の安全対策水準を高める活動を行っています。
2023年度は、設備の安全対策状況を容易に確認できる識別表示を個々の設備に行い、設備安全基準に対するアセスメント結果を一元管理することで、トラブル発生時の原因究明やその対策、他拠点への水平展開をより確実、迅速に実施できる仕組みづくりを行いました。
今後も、設備に起因する労災を減少させる取り組みを進めます。
設備安全基準に対するアセスメント結果

Method

ばらつきのない安全作業
従業員がより安全に作業できるようにするため、手順の整備・見直しを行い、ばらつきのない安全作業の標準化を進めています。
2023年度は、顧客要求や業界要求、監査での指摘事項などを分析し、生産設備の安全装置の点検や緊急時に使用する洗眼器の点検などについて、優れた対応事例の効果の検証・見直しを行い、方法を標準化することで、職場の安全水準向上、緊急時の備えに対する管理水準向上につなげました。
今後も、安心して働ける職場環境を共通の視点で形成できるよう取り組みを進めます。

Material

化学物質の有害性/危険性の最小化
化学物質による有害性/危険性を最小化するために、化学物質を取り扱う作業のリスク対策を継続的に行っています。
2023年度は、有機溶剤を使用して行う設備の洗浄作業のリスク対策として、使用する有機溶剤や生産方法の検討・見直しを行い、有害性のより低い物質への切り替えを進め、化学物質の取り扱いに対するリスクの低減を図りました。
今後も、化学物質の有害性/危険性を最小化するための取り組みを進めます。

Measurement

チェック水準の深化
安全で衛生的な職場づくりのため、目に見えない(認識していなかった)危険を洗い出す手段や方法の整備・改善を行い、チェック水準を深化させる取り組みを進めています。
2023年度は、移動時の転倒労災につながるリスク対策について各拠点で検証・見直しを行いました。さらに、安全衛生専門スタッフによる現場監査を実施し、対策の有効性確認を行うとともに、専門的視点による新たなリスク抽出、先進事例を基にした改善指導を行うことで、より安全な職場づくりにつなげました。
今後も、チェック水準を深化させる取り組みを続け、安全で衛生的な職場づくりにつなげます。
転倒リスク対策の現場監査

Health

1 メンタルヘルス発症者率を低減する

太陽誘電では、メンタル不調の発症者を減少させるための体制※1を構築し、予防活動に取り組んでいます。
「新職業性ストレス簡易調査票」を使用した法定ストレスチェックの実施に加え、ワークエンゲージメント※2や、組織のハラスメント発生率についても調査を行っています。
個人へのアプローチでは、生活環境に変化がある新入社員や中途入社者などに対する健康面やメンタル面の確認を行うための面談、メンタル不調のリスクが懸念される従業員に対する産業看護職による面談を行い、メンタル不調の未然防止に努めました。なお、ストレスチェックについては、今回の調査から海外拠点へ赴任している従業員も対象に含めました。
また、組織へのアプローチとして、ストレスチェックの集団分析結果を各部門責任者へフィードバックし、組織全体で心理的安全性※3を高めるための職場環境改善に向けた施策などの話し合いを進めました。
これらの活動により、発症者率は前年と同じ0.73%(G1参照)で推移しています。今後も研修の充実や、産業医、精神科医、産業カウンセラーと密に連携し、従業員一人ひとりが、安心していきいきと働けるよう、メンタルヘルスケアに取り組みます。

メンタルヘルスケア体制

※1メンタルヘルスケア体制: 個人でのセルフケアのほか、ラインケアとして管理・監督職(上司)への相談、心理相談員(健康管理室)や外部ケアとして外部医療専門家(精神科医)での治療、臨床心理士 産業カウンセラーへの相談・アドバイスが受けられるようになっている。また、心理相談員(健康管理室)、総務部門長と臨床心理士 産業カウンセラー、運用責任者と産業医は社内スタッフケアとして連携を行う。管理・監督職(上司)と心理相談員(健康管理室)も相談・連携ができるようにしている

G1: 発症者率の推移

発症者率の推移を表す2019年度から2023年度の折れ線グラフ。太陽誘電は2019年度に0.86%、2020年度に0.78%、2021年度に0.87%、2022年度に0.73%、2023年度に0.73%となっている。
  • ※2
    ワークエンゲージメントとは仕事から活力を得て誇りを感じ、イキイキと仕事をしている状態を指します。
  • ※3
    組織の中で自分の考えや気持ちを、誰に対してでも安心して発言できる状態を指します。
2 健康的な生活習慣を根付かせる

太陽誘電は、「従業員の幸福」という経営理念のもと、従業員の健康管理を経営課題として捉え、安心安全な労働の基礎づくり、従業員がいきいきと働く組織づくり、生産性・創造性の向上に貢献するため健康経営に取り組んでいます。その中で、戦略的かつ計画的な取り組みを進めるために、健康指標(Focus 5: 食事・非喫煙・運動・睡眠・ストレス)と目標値を設定し、目標値に近づけるために具体的な健康施策に取り組んでいます。
2023年度はFocus 5の中から特に「運動」と「睡眠」に重点を置いた施策を実施しました。
「運動」の施策では、いつでも・誰でも・簡単に実施できる「歩く」をテーマに、歩行姿勢測定器と体組成計を用いた測定会を開催しました。歩行姿勢や筋力量、体脂肪量などを可視化することで、日々の身体活動を向上させることによる生活習慣改善のきっかけをつくりました。
また、「睡眠」の施策では、デスクワーカーを対象に睡眠を正しく理解することを目的としたe-learningの実施、交替勤務者および新入社員を対象に睡眠をテーマとしたセミナーを開催しました。
さらに、睡眠不調を抱える人が多い傾向の交替勤務者に対し、睡眠の質向上に向けた施策を検討するための情報収集として、交替勤務を行っている全従業員に対し、アンケート調査を実施、課題の可視化を行いました。
その他の施策として、禁煙の取り組み、社員食堂の充実、健康保険組合主催の健康増進施策(ウォーキングイベント)を実施しました。
その結果、外部評価では、経済産業省の制度である「健康経営優良法人2024~ホワイト500~」※4に4年連続で選出されました。さらに、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に積極的に取り組む企業として、スポーツ庁から「スポーツエールカンパニー2024」※5に4年連続で認定されました。
今後も引き続き、従業員が心身ともに健康でいきいきと働くことができる職場づくりを推進していきます。

  • ※4
    健康経営度調査結果の上位500法人のみを認定する制度
  • ※5
    従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業を認定する制度
健康経営優良法人2024
~ホワイト500~
スポーツエールカンパニー
2024