基本的な考え方
当社グループは、経営理念の一つに「従業員の幸福」を掲げ、人的資本を企業価値創出の源泉と位置付けています。中期経営計画2030においては、企業活動全体を通じた「サステナブル・ウェルビーイング」の実現を目指し、従業員及び組織のウェルビーイングの向上を通じて、生産性の向上及び持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。
当社が事業戦略で掲げる高付加価値商品の継続的創出、グローバル供給体制の構築及び、技術革新への迅速な対応を実現するためには、それらを支える人材の確保・育成・活躍が不可欠であり、人材戦略を経営戦略と一体で推進することを重要な経営課題として認識しています。
ガバナンス
人的資本に関する取組は、人事担当執行役員の統括のもと、人事部が戦略及び方針の策定並びに施策の推進を担っています。また各種指標及び施策の進捗については定期的にモニタリングを行い、その内容をTM会議及び取締役会へ報告しています。
当社における人材マネジメントの基本的な考え方及び主要制度は、原則として提出会社(当社単体)を対象として設計・運用しています。一方で、グループ全体の企業価値向上に資する観点から、グループ会社への展開も進めています。具体的には、グループ横断での人材データの一元管理、人事制度及び評価基準のモデル化並びに人材配置及び育成に関する基本方針の共通化等に取り組んでおり、グループ全体における人材マネジメントの高度化を図っています。
リスク管理
当社グループでは、経営全般に係るリスクの一環として人的資本に関するリスクを特定し、影響度及び発生可能性に基づき評価したうえで、リスト化し一元管理しています。また、リスクについては、リスク管理部会において定期的にモニタリングを実施しています。人的資本に関する主なリスクとしては、以下を認識しています。
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従業員エンゲージメントの低下による生産性の低下
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離職率の上昇及び人材確保競争の激化による人材不足
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次世代幹部候補の不足による経営人材の継続性に関するリスク
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技能・技術の継承不足による競争力の低下
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人材構造のアンバランス(世代間構造の偏り等)
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労働関連法令の不遵守やハラスメント、人権侵害等の発生によるレピュテーション低下
これらのリスクに対しては、エンゲージメントサーベイや人事データ分析を通じた課題の可視化を行うとともに、サクセッションマネジメントの推進、人材育成の体系化及び人材流動施策の展開等の対策を講じています。
指標および目標
当社は、人的資本に関する取組の進捗及び成果を適切に把握するため、定量的な指標を設定しています。これらの指標は、個別施策の進捗を測定するとともに、相互に関連付けることにより人材及び組織の状態を総合的に把握することを目的としています。当社は、これらの指標を通じて、各施策の実行状況とその結果としての人的資本の状態を統合的に評価し、HRウェルビーイングの向上を図るとともに、中長期的な企業価値向上への寄与を目指しています。なお、以下に掲げる指標は、原則として太陽誘電(当社単体)を対象として設定・運用しており、グループ全体への適用については、人事制度及び人材データ基盤の整備の進展を踏まえ、段階的に検討していきます。
| 重点テーマ | 指標 | 2030年度 (目標) |
|---|---|---|
| HRウェルビーイングの実現 | HRウェルビーイング指数 | 改善率10%以上 |
| 人材開発の加速 | 教育費用 | 他社ベンチマーク水準 |
| 多様性の尊重 | 女性管理職比率 | 10%以上 |
| 障がい者雇用率※1 | 法定雇用率以上※2 | |
| 女性採用比率 | 30%以上※2 | |
| 男性育児休業取得率 | 85%以上 | |
| 健康経営 | 主観的イキイキ度 | 80%以上 |
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※1提出会社及び国内グループ会社
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※2中期経営計画2030の期間中、各年度において継続的に達成する目標値
戦略および主な取り組み
HRウェルビーイングの実現
当社グループは、人と組織の成長を企業価値向上の基盤と捉え、「HRウェルビーイング(Human Resources Well-being)」の実現を人事戦略の中核に位置づけています。
HRウェルビーイングとは、従業員一人ひとりの能力及び意欲が十分に発揮されている状態と、それを支える組織環境が整備されている状態の双方を包含する概念です。当社では、安心・健康、働き方、多様性、成長、やりがい及び組織風土等の要素に基づき、これらの状態を定量的に把握するための指標として、独自に「HRウェルビーイング指数」を設定しています。当該指数を経営上の重要指標として位置付け、継続的なモニタリング及び改善活動を通じて、働きやすさと働きがいの双方の向上に資する組織風土の醸成を推進しています。
人材育成の加速
当社では、持続的な成長を支える人材基盤の構築を目的として、計画的な育成、配置及び登用を通じた人材開発の高度化に取り組んでいます。
具体的には、サクセッションマネジメントの推進、人材ポートフォリオに基づく採用及び配置、管理職並びに次世代リーダー層の体系的な育成並びにアセスメント結果を踏まえた育成施策の最適化等を実施しています。これにより、将来の経営を担う人材から高度専門人材に至るまで、役割に応じた能力開発を進めています。
主な取り組み
- グローバル人材育成
- 太陽誘電グループはモノづくりの会社として、グローバル競争で勝ち抜くための人材供給・運用体制の構築を進めています。特に、海外拠点人材を対象に、太陽誘電への出向・出張、技能実習の実施や、人材育成機関と協力した、太陽誘電での専門的OJT教育などを展開していきます。引き続き、グローバル人材育成に取り組み、国内外で活躍できるグローバル人材の輩出を加速していきます。
- リーダー研修(国内)
- 太陽誘電グループの5~10年後を担う人材の育成プログラムを行っています。2019年度から実施を始め、延べ185名が受講しました。1年目は学習する組織(自分で課題を見つけて解決する組織)をテーマに手法を学び、2年目は10年後をイメージして戦略を考えるワークを実施しました。次世代を担うためのスキルや考え方を、単発の研修ではなく、3年間をかけて学ぶプログラムです。
- 品質教育(国内)
- 品質は、モノづくりの現場だけでなく、全ての仕事の質に影響します。太陽誘電グループでは仕事の進め方を変革する際に役立つ科学的方法や考え方を理解し、実践できるようにするために、2019年度から社内品質研修を開始し、2022年度より、新たに3つの研修を追加し、10種類の研修プログラムを提供しています。あらゆる職種・業種の問題解決やデータ処理に有効な手法や品質管理の基礎を理解して実践することを促し、太陽誘電グループの品質向上を目指しています。
主な取り組み(太陽誘電)
- モノづくり人材育成
- データ分析・統計解析の教育を通して、さらなる業務改善・効率化を進めています。2017年度から実施している統計解析のためのソフトウェアを習得する研修に加え、2018年度からは若手社員に対して、現場改善の”気づき”から品質管理、生産管理、プロジェクトマネジメント、設計段階での品質の作りこみまでを学ぶことができる実践的統計教育を実施しています。品質・安全に準拠したモノづくりの高度化に向けた教育を継続していきます。
- キャリアデザイン開発教育
- 社員が「やりがい」「働きがい」を持って働いていくために、全社員が半年単位の目標(コミットメント)を設定し、上司との定期面談を実施することにより、期待感や達成感を実感しながら、自律的に能力開発に取り組むことを目指しています。
また、中長期的視点では、社員が目指したいキャリアとそれを実現するためのキャリアプランを考えるための機会として、キャリアプラン研修の実施や、希望者には、社内キャリアカウンセラーによるキャリア面談を行うなど、社員それぞれの自己実現に向けた支援を行っております。
主な研修の受講実績(太陽誘電)
| 教育の種類 | 内容 | 主な研修 | 受講者数(名) |
|---|---|---|---|
| 階層別教育 | 自己の役割を果たすために必要となる意識・知識・スキルを学ぶための研修。将来に向けた、スキルの早期習得のための研修も含む。 | 新入社員研修、基盤確立教育、昇格者研修など | 993 |
| リーダー育成教育 | 経営幹部候補、将来のリーダー候補を発掘、育成するための研修。 | リーダー研修、若手選抜教育など | 40 |
| キャリア支援教育 | 社員一人ひとりがありたい姿を実現するために、これまでのキャリアの振り返りとこれからのキャリアを考える研修。 | キャリアプラン研修など | 220 |
| テーマ別教育 | 会社の経営課題の解決や戦略の実現のために実施する研修 | 品質教育、5S教育、統計研修、DX教育など | 2,406 |
多様性の尊重
当社グループは、経営理念の一つである「従業員の幸福」と、ミッション「おもしろ科学で より大きく より社会的に」を基本に、世代、性別、価値観及び経験等の違いを価値として活かすことを、重要な経営基盤と位置づけています。多様な人材が能力を十分に発揮できる制度及び環境の整備、マネジメントの意識改革並びに各種ダイバーシティ推進施策の実施を通じて、相互に強みを活かし合う組織の実現に取り組んでいます。
主な取り組みなど、詳細については、ダイバーシティーのページをご参照ください。
https://www.yuden.co.jp/jp/sustainability/society/diversity/
健康経営
当社グループは、従業員が心身ともに健康であることを組織の生産性向上の基盤と捉え、健康経営の推進に取り組んでいます。
社長執行役員を健康管理最高責任者(CHO)とする体制のもと、健康増進施策及び職場環境の整備を進めるとともに、「主観的イキイキ度」を指標として、従業員が能力を十分に発揮できている状態の把握及び改善に取り組んでいます。
主な取り組みなど、詳細については、健康経営のページをご参照ください。
https://www.yuden.co.jp/jp/sustainability/society/HM/