マネジメントシステム概要、推進体制
安全・環境マネジメントシステムの構築により、グループ全体の意思統一を図った活動を行っています。
システムの概要
このマネジメントシステムは、大きなサイクルと小さなサイクルで構成されています。
グループ全体の大きなサイクルでは、共通の目標・基準を設定し、サイト監査や拠点からの報告により実施状況を確認し、マネジメントシステムのレビューを行い、継続的改善を図っています。
拠点ごとの小さなサイクルでは、ISO14001に準拠したマネジメントシステムおよび労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)を構築し活動を行っています。
推進体制
社長執行役員から任命される安全・環境担当役員を太陽誘電グループ全体の統括責任者とし、安全・環境マネジメントシステムの推進体制を構築し、運用しています。
「安全・環境MS委員会」「環境推進委員会」の各会議体で、方針や取り組むべき課題を協議、決定しています。この決定事項を、拠点の責任者が具体化し、拠点内に伝達・徹底、推進しています。
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※MSはマネジメントシステムの略
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※HQはヘッドクオーターの略
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※安全衛生委員会には会社側と労働者側の代表者を選出
マネジメントシステム認証取得状況
太陽誘電グループは、生産拠点および開発拠点でISO14001の認証を取得しています。
また、グローバルサプライチェーンにおける企業の社会的責任に取り組み、責任ある企業同盟であるResponsible Business Alliance(以下、RBA)が行う、Validated Assessment Program(VAP)監査を計画に沿って継続的に受けています。
認証取得一覧
所在地 | 拠点名 | ISO14001認証 | 認証機関 |
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日本 |
太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 |
4669324(1998年10月~) 国内統合認証 |
BV |
韓国 | 韓国慶南太陽誘電株式会社 | KR003545(2002年3月~) | BV |
中国 | 太陽誘電(廣東)有限公司 | CN042006(2001年12月~) | BV |
フィリピン | TAIYO YUDEN (PHILIPPINES), INC. | PH13/0920(2001年11月~) | SGS |
マレーシア | TAIYO YUDEN (SARAWAK) SDN. BHD. | EMS00226(2002年10月~) | SIRIM |
ELNA (MALAYSIA) SDN. BHD. | 17318-E(2003年12月~) | Kiwa | |
タイ | ELNA (THAILAND) CO., LTD. | 04 104 990506(2004年3月~) | TUV |
RBA-VAP監査
太陽誘電グループは、社会的責任に関する行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)行動規範を順守する活動を行っています。そして、労働人権・倫理・安全衛生・環境活動の水準を継続的に高めていくため、客観的評価としてRBA-VAP監査を定期的に受けています。監査は、生産拠点17サイトと非生産拠点1サイト*を対象としています。
太陽誘電株式会社(国内) | 高崎グローバルセンター*/榛名工場/中之条工場/玉村工場/八幡原工場 |
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連結子会社(国内) | 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社/太陽誘電テクノソリューションズ株式会社/福島太陽誘電株式会社/新潟太陽誘電株式会社/和歌山太陽誘電株式会社/太陽誘電モバイルテクノロジー株式会社(本社/所沢工場)/エルナー株式会社(白河工場/青森工場) |
連結子会社(海外) | 韓国 韓国慶南太陽誘電株式会社 中国 太陽誘電(廣東)有限公司 フィリピン TAIYO YUDEN (PHILIPPINES), INC. マレーシア TAIYO YUDEN (SARAWAK) SDN. BHD. |
監査
3種類の監査(トリプル監査)を実施して、拠点におけるコンプライアンス・事故リスク管理・環境影響などの状況を評価し、継続的に改善しています。
外部監査
- 認証機関によるISO14001の認証審査
- ISO14001を認証取得している拠点で更新審査および維持審査が行われました。
審査の結果、不適合は2件ありました。これらの不適合は真の原因を分析し、対応する是正処置を速やかに実施しました。不適合の内容は、マネジメントシステムに関する軽微なものであり、環境汚染や事故に直接つながるものではありませんでした。
外部監査による不適合件数
不適合事例
- 不適合事例とその内容
- 業者が燃料充填時に実施している静電気対策を確認する方法が標準化されていなかった。
- 是正改善策処置
- 確実に静電気対策の実施状況が確認できるよう作業標準を改訂し、関係者に教育を実施しました。
- 不適合事例とその内容
- 業者が行う冷凍機のメンテナンス作業で冷媒の量の確認が不十分であった。
- 是正改善策処置
- 冷媒の量を確実にチェックするための冷凍機の予防保全手順を改訂し、業者および社内関係者に教育を実施しました。
なお、2023年度のRBA-VAP監査は、国内7拠点、海外4拠点で終了しました。
サイト監査
- 拠点比較として拠点の安全・環境活動を定期的に監査(国内拠点1回/2年 海外拠点1回/3年)
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2023年度は、顧客要求事項やRBA行動規範の安全衛生・環境要求事項に対する順守状況を確認することを目的に監査を実施しました。
監査では、顧客要求事項・RBA要求事項の、潜在的な危険に対する管理、必要な保護具の管理、緊急時への備え、化学物質・廃棄物・大気・水質管理などについて、書類確認や実際に現場に立ち入り監査を実施しました。
監査の結果、表示管理、緊急時への備え、消火器管理などの不備が検出されました。
サイト監査で検出された不備は対策を実施し、有効性評価を行いました。
グローバルな社会的要求事項をタイムリーに反映し、拠点間をベンチマークして共有化することでグループ全体の安全衛生・環境活動の水準向上を図っています。 - 指摘事例
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化学物質容器に表示している危険有害性表示(GHS※)に一部不備があった。
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救急箱配置図の更新管理が不十分であった。
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消火器月次自主点検の項目に一部不備があった。
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※化学品の分類および表示に関する世界調和システム(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)
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内部監査
- 拠点の部門を対象として安全・環境の順法状況、目標達成状況およびパフォーマンス状況を監査(1~2回/年)
- 全拠点で各々のマネジメントシステムに従い、拠点の部門を対象とした内部監査を実施しました。拠点ごとに重点テーマを決めて内部監査を実施した結果、36件の不適合が発見されました(国内拠点)。全て是正処置が滞りなく完了し、フォローアップを確認後、太陽誘電グループの方針や目標を満たすためにマネジメントシステムが有効であることを経営者に報告しました。
その他の監査
廃棄物業者視察監査(国内拠点)
2023年度は34社(収集運搬・中間処理業者19社、中間処理業者15社)について現地で視察監査を実施しました。その結果、視察した業者は全て適正に廃棄物の処理・処分を行っていることを確認できました。なお、視察の評価結果から業者を3ランクに分類し、このランクごとに業者への視察頻度を変えています。
教育訓練体制
労働災害や労働疾病の防止、環境保全へ積極的に取り組むため、一般事項から専門的な分野までさまざまな教育を実施し、従業員の意識向上を図っています。
教育体系
名称 | 区分 | 目的 | 主な項目 | |
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一般教育 | 新入社員教育 | 認識 | 労働安全衛生や環境保全に対する意識向上と企業を取り巻く環境問題の理解 | 安全衛生・環境の一般概論/太陽誘電グループの安全衛生・環境の状況 |
一般教育 | 全社員を対象に太陽誘電グループの安全衛生・環境憲章、行動方針に対する理解促進や行動力の習得 | マネジメントシステム(安全衛生・環境憲章を含む)/メンタルヘルス | ||
職場教育 | 部門の安全衛生・環境活動と作業に関する危険箇所や環境影響の理解 | 部門活動/作業時に順守すべき事項 | ||
安全衛生教育 | 責任者・指導者・監督者教育 | 力量 | 法規制で要求されている安全配慮義務の役割の理解と部下に安全衛生に関する指導ができるスキルを取得 | 総括安全衛生管理者の役割/管理職の役割/職長の役割/化学物質管理/危険物管理 |
特定業務従事者教育 | フォークリフト・クレーンなどの運転作業者、有機溶剤などの取り扱い作業の管理者や関係する従業員に対する専門的なリスクの習得 | 就業制限義務/特別教育項目/静電気災害防止 | ||
リスクアセッサー教育 | リスクの認識と安全で衛生的な職場を形成するためのスキルの習得 | リスクアセスメント/安全衛生目標/安全衛生改善事例/安全衛生事故の原因と対策 | ||
環境教育 | 特定業務従事者教育 | 法的な届出が必要な設備・施設の管理者や関係する従業員に対する専門的なスキルの習得 | 水質汚濁防止管理/大気汚染防止管理/廃棄物管理 | |
専門教育 | 事業活動と環境活動を融合させ、環境影響の改善と資源生産性向上を両立させるためのスキルを習得 | 化学物質とその環境影響/環境目標/環境改善事例/環境事故の原因と対策 |
教育の事例
一般教育
- 安全衛生イベントの開催
- 安全衛生に関するさまざまなイベントを各拠点で実施しており、従業員の意識・能力向上の機会になっています。たとえば、歩行時の腰痛予防・改善を目的とした歩行姿勢評価、熱中症予防の講習などを実施しました。
安全衛生教育
- 呼吸用保護具装着教育
- 計測機器を使用しマスクと顔の密着性をリアルタイムで測定し、正しい装着方法を確認する教育を実施しました。
- 高圧ガス保安教育
- 高圧ガス設備による事故を防止するため、高圧ガスの特性や危険性、日常の監視・点検方法などについて教育を実施しました。
環境教育
- 排水処理施設管理者教育
- 排水処理施設の管理者を対象に、排水規制基準、排水処理制御システムの保全などについて現場実習も含めて教育を実施しました。
- 廃棄物管理者教育
- 廃棄物の適正管理を図るため、廃棄物の分類、マニフェスト制度、委託処理業者の管理方法などの教育を実施しました。