太陽誘電グループでは、予想される安全衛生および環境のリスクを毎年抽出してリスク評価を行い、リスクの発生を防止するための対策を実施しています。その中で火災・爆発事故、化学物質の流出・汚染は、事業活動への影響のみならず、ステークホルダーへの影響にもつながるため、重大なリスクとして捉えています。
化学物質の適正管理
化学物質による環境汚染や人体への影響を未然に防ぐため、禁止物質を使用しないことはもちろん、化学物質の管理・排出削減に取り組んでいます。
化学物質管理体制
太陽誘電グループでは、独自の「グループ化学物質管理基準」を定めています。この中で禁止、限定、管理すべき化学物質を定めています。化学物質管理を強化するため、化学物質管理体制を確立し、各担当とその役割を明確化しています。

対象化学物質
禁止物質 | カドミウムおよびその化合物、水銀およびその化合物、六価クロム化合物 など |
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限定物質 | セラミック・ガラスフリット中の鉛、圧電体中の鉛、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)、多環式芳香族炭化水素(PAHs) など |
管理物質 | トルエン、REACH SVHC(高懸念物質)、キシレン など |
PRTR法への対応
太陽誘電グループは、化学物質が有する環境リスクを低減するため、化学物質の環境媒体(大気、水域、土壌)への排出量および廃棄化学物質の移動量・リサイクル量を行政へ報告しています。行政では化学物質の排出・移動量の目録やデータベースを公表しており、広く一般に役立てられています。
PRTR対象化学物質
管理番号 | 化学物質名 | 排出量 (t/年) |
移動量 (t/年) |
リサイクル量 (t/年) |
---|---|---|---|---|
82 | 銀およびその水溶性化合物 | 0.0 | 4.1 | 4.9 |
87 | クロムおよび三価クロム化合物 | 0.0 | 1.2 | 0.1 |
300 | トルエン | 34.5 | 22.7 | 32.2 |
308 | ニッケル | 0.2 | 3.7 | 100.5 |
309 | ニッケル化合物 | 0.7 | 5.1 | 9.9 |
405 | ほう素化合物 | 0.3 | 0.5 | 0.0 |
438 | メチルナフタレン | 0.1 | 0.0 | 0.0 |
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※対象化学物質はPRTR法に準拠し、取扱量1t以上を掲載しています。
排出量: 大気、水域、土壌への排出量合計です。
移動量: 当該事業所外の産業廃棄物業者へ処分を委ねる量です。
オゾン層破壊物質
生産プロセスにおいてオゾン層破壊物質は使用していません。
空調機などの冷媒としてHCFCを使用していますが、適正に回収・処理しています。
緊急事態への準備
突発的な事故・災害などのさまざまなリスクを想定して、早期発見・早期対応、予防・緩和を目的とした定期的な訓練を実施。適切な手順の確認と、継続的な改善を行っています。
消防訓練
中之条工場

屋外消火栓を使用した放水訓練を実施しました。(2024年7月)
福島太陽誘電

火災の発生を想定し、消火器の取り扱い訓練を実施しました。(2024年12月)
TAIYO YUDEN (SARAWAK)

粉末消火器を使用した初期消火訓練を実施しました。(2024年10月)
化学物質漏えい時の緊急事態訓練
玉村工場

化学物質が側溝に漏えいしたことを想定し、側溝の遮断・回収訓練を実施しました。(2024年10月)
和歌山太陽誘電

化学物質が漏えいしたことを想定し、回収訓練を実施しました。(2024年10月)
ELNA (MALAYSIA)

化学物質が漏えいしたことを想定し、拡散防止訓練を実施しました。(2024年5月)
避難・救急訓練
高崎グローバルセンター

火災時に負傷者が発生したことを想定し、搬送訓練を実施しました。(2024年12月)
太陽誘電モバイルテクノロジー

東京消防庁の協力の下、VR防災体験車により火災や地震の脅威を疑似体験しました。(2024年6月)
TAIYO YUDEN (PHILIPPINES)

夜間に地震が発生したことを想定した避難訓練を実施しました。(2024年9月)
土壌汚染処置
「土壌汚染対策法」に該当する調査の実施はありません。
環境事故
周辺の環境に影響を与える事故は発生していません。
火災・爆発の防止対策
火災・爆発事故防止対策として、法令要求の対応に加えて燃焼3要素(可燃物・酸素・熱源)に関する自主基準を定め、対策実施および管理を行っています。また、火災発生を想定した消火訓練・避難訓練を毎年実施しています。
火災、爆発事故は発生していません。