Q&Aコーナー:回答

セラミックコンデンサの静電容量は温度によって変化しますか?
コンデンサの静電容量の温度特性とは何ですか?

セラミックコンデンサは、周囲の温度により静電容量が変化します。温度による静電容量の変化のことを、静電容量の温度特性といいます。これは、セラミックコンデンサに使用されている材料によるものであり、当社以外のセラミックコンデンサでも一般的に起こる現象です。

以下に、当社製品 LMK212BJ105KD-T の温度に対する静電容量変化率を示します。

LMK212BJ105KD-Tの温度による静電容量変化率

セラミックコンデンサの温度特性は、日本工業規格(JIS)とアメリカ電子工業会(EIA)によって定められた基準が広く使用されています。セラミックコンデンサメーカーは当社を含め、個別製品にJISとEIAの両方、またはいずれかの温度特性記号を規定しており、これにより製品の使用温度範囲、使用温度範囲内での静電容量の温度係数、または静電容量変化率がわかるようになっています。主なJIS, EIAの温度特性記号と使用温度範囲、温度係数、静電容量変化率の対応は以下のようになっています。

CLASS1(温度補償用)
温度特性記号 使用温度範囲
[℃]
温度係数
[ppm/℃]
JIS EIA
CG C0G -55~+125 0±30
CH C0H 0±60
CJ C0J 0±120
CK C0K 0±250
UJ U2J -750±120
UK U2K -750±250
SL - -1000~+350
CLASS2(高誘電率系)
温度特性記号 使用温度範囲
[℃]
静電容量変化率
[%]
JIS EIA
B - -25~+85 ±10
- X5R -55~+85 ±15
- X6S -55~+105 ±22
- X7R -55~+125 ±15
- X7S -55~+125 ±22
- X7T -55~+125 +22/-33
F - -25~+85 +30/-80
- Y5V -30~+85 +22/-82

※ 基準温度は JIS では 20℃、EIA では 25℃ となっています。

なお、温度係数と静電容量変化率は、使用温度 T での静電容量 CT と基準温度 T0 での静電容量 CT0 から以下のように求められ、この値が使用温度範囲内で上の表の範囲内に入っていなければなりません。

温度係数の計算式 静電容量変化率の計算式

個別製品の温度特性については、製品の仕様や特性を検索できる TY-COMPAS をご活用ください。